極彩色のCGと力強い毛筆のアナログ感で、自由で独特な世界観の作品を発表し続ける絵かきユニット「だるま商店」。今回はディレクター島直也さんにお話を伺いました。
島さんは神戸育ち。月に一度はお坊さんがお経を読みに来る、話を聞く、というように、幼いころからお寺は常に身近な存在だったそう。のちに絵を描いてお寺に納めることになろうとは、島少年には知る由もありませんでした。
はじめに都市計画、次にテレビCMの第一線でバリバリ活躍されていた島さん。華やかな仕事にやりがいは感じていたものの、予定調和に陥りがちな仕事にどこか満足できない自分がいたといいます。そんな中、デザインイベント「デザインフェスタ」にて、のちに相方となる絵師・安西智さんと運命的な出会いがありました。
京都ではじめての仕事は「ガケ書房」のフライヤー制作。大手クライアント相手の仕事と異なり、全く制約がないということに驚かれたそうです。そして、これこそ自分が求めていた仕事のスタイルだと感じたのでした。
きっかけは熊野古道の曼荼羅制作のコンペ。たくさんのクリエイターが参加するコンペを勝ち抜き納めた作品が呼び水となり、様々な寺院から声がかかるようになります。今では随心院、六道珍皇寺など、たくさんの寺院でだるま商店の作品を見ることができます。膨大な知識・徹底したコンセプトワークに貫かれた彼らの作品は、一見奇抜でありながら、寺院の空間に驚くほど自然に馴染んでいます。
臨済宗大本山建仁寺派六道珍皇寺 屏風
まず、だるま商店はアーティストではありません。自称アーティストっていう人にロクな人いないじゃないですか(笑)。アートとか言う前に、ビジネスとして成立している方やお店はすごく尊敬してますね。例えば村上隆さん。あと僕が以前いたCM業界で言うとENLIGHTMETNTさんはすごいと思います。独自の表現をされていて、かつそれが商業ベースでも評価されているという点で。
建築ではガウディ、日本画では曾我蕭白、西洋画ではモネ、あたりですかね。共通点ないですね(笑)。個別の作品から影響を受けるというより、その絵に込められた意味とか時代背景というものに興味がいくので、この時代のコレ、というのはあまりないかもしれません。作品づくりについて言うと、例えば「なぜこのモチーフを使うか」意味合いというのは自分たちの作品づくりでもすごく大切にしていて、文献はかなり読み込みます。
最近、絵ってそのもの自体の出来も大事なんですが、「置かれる場所」もすごい重要だなぁと思います。やっぱり自分の作品に対する人の反応は気になるので、こっそり見に行くのですが、街頭とかお店であれば、正直ちゃんと見ている人は少ないですね。当たり前かもしれませんが。一方お寺であれば、拝観料を支払った上なので、覚悟というか元をとらねば、という心理が働くでしょう。もちろんお仕事をいただければどんな場所に置かれるものでも全力で取り組みますが、やっぱりすごい場所に置いてもらう、というのはひとつの目標ですね。目標は皇居です(笑)
“いつもの一杯”を年中無休で提供されている、四条寺町の大人の純喫茶。店長さんの喫茶に対する真摯な姿勢がお店の空間に満ちています。
言わずと知れた、京都のお笑いの殿堂。全国レベルのお笑いが見られる場所が身近にあるって、実はすごく恵まれているのかも。
家電売場うろうろ→最上階カフェで仕事、というのが島さんの定番。程よい開放感で仕事がはかどるそうなので、ノマドワーカーは一度足を運んでみては?
詳しくはホームページをご覧ください。
だるま商店 公式ホームページ
各務 香織 - Kaori Kagami -
文化ティーサロンITO salon de theオーナー
世界各地の厳選された高品質紅茶やハーブティーを通じて、人との繋がりや文化を広めるサロンを主催。
投稿日:2014.09.09