明治初期より、京都・三条寺町で140年以上営業されている三嶋亭。すき焼き屋の草分けとして、今なお変わらぬ味を守り抜いていらっしゃいます。
三嶋亭の昭和2年に増築されたお部屋には、日展理事京都市文化功労者で、漆芸家の第一人者でもある番浦省吾氏が手掛けた欄間や調度品が数多あることをご存知でしょうか。
春秋紋の欄間
いたる所に番浦氏の作品が配置されています
今回は、お部屋にちりばめられた番浦氏の作品を取材させていただきました。
番浦氏と建築設計士の共同作品は、3代目社長の依頼によるもの。“工芸”が“アート”としての価値を評価され始めた昭和初期に制作されました。確かな蒔絵の技術と斬新なデザインは、時を超えてなお、私たちをハッとさせる魅力に満ちています。
網代天井、アーチ形など、個性的な天井に負けない照明器具
デザインもそれぞれ異なります
トビウオが飛び交う欄間
床框には螺鈿細工が施されています。作家の遊び心が心憎いデザイン
昭和モダンを感じさせながら、今なお色褪せることのない空間。極上のお食事にいっそうの彩りを添えます。
明治34(1901)年石川県生まれ。
輪島で蒔絵の技術習得に専心。大正14(1925)年、24歳の時に京都に移住。29歳で帝展に初入選以降数々の作品を発表。代表作に四天王寺極楽門漆絵壁画など。
三嶋亭
住所:京都市中京区寺町通三条下ル桜之町405
電話番号:075-221-0003
営業時間:11:30~22:30
定休日:水曜日(※祝日の場合は営業)、1月1日
投稿日:2014.10.23