“学生の街 京都”で学祭に行かないなんてもったいない!ということでお届けしている学祭特集。
第三弾となる今回は、京都市立芸術大学「京都市立芸大祭2015」について取材してまいりました!
この学祭で一番注目すべきポイントは、なんといってもその驚きのテーマ設定にあります!
今年の京都市立芸大祭のテーマは『どくさい国家「やさしさ」』
一体何がどうしてこうなったのか?!
芸祭を運営されている学生さんに、根掘り葉掘り伺ってまいりました。
岡本秀さん(芸大祭実行委員長 2回生)(写真中央)
新庄勇登さん(芸祭委員 テーマソング作曲担当 1回生)(写真左)
小林奏子さん(芸祭委員 テーマソングうた担当 1回生)(写真右)
ー運営は基本的に2回生の方がされているんですか?
岡本:そうですね。一回生と二回生が中心になってやってまして、三回生四回生は模擬店とかだけしてみたいな。企画や運営は一回生二回生がやってます。
ー芸祭委員っていうのはどれくらいいるんですか?
岡本:一回生が100人くらいおって、二回生もおんなじくらいなんで、だいたい200人くらいですかね。
ーいつごろから準備されてたんですか?
岡本:準備は、芸祭が終わった直後くらいから引き継ぎがあって、そこから1月か2月くらいに芸祭テーマを決める期間っていうのがあって、具体的に動き出すのが新入生が入ってからだから5月くらいですね。
ー今回のテーマはどうゆう風に決まったんですか?
岡本:えーっと、まあ、話し合いを、その芸祭本部っていう芸祭長が選んだメンバーと話し合いをして、その話し合いで考えて決めた結果になりますね。僕が基本的に考えたのを皆でブラッシュアップしていく感じでやってて。
ー他にどんな候補があったんですか?
岡本:他は、あんま覚えてないんですけど、「江戸」と「B級映画」と、あとなんやったっけ。あ、全然意味もない造語なんですけど、「ヒッピーマウスサイケデリックランド」っていう。
ーすごいの出ましたね(笑)。やっぱりそういった”世界観”から入るんですか?
岡本:そうですねやっぱ、京芸(京都市立芸術大学)の芸祭っていうのは、芸祭長が基本的に芸祭テーマを決めるんですけど、その芸祭長の決めた芸祭テーマにのっとって、各”セクト”=係に自分のやってほしいことを伝えてどんなん作るか決めていきます。
セクトには、イベントを企画したりデコレーションしたり、オブジェとかイベントスペースを作ったりって色々種類があって、基本的にその芸祭テーマを中心に、世界観を作っていくっていう。
ーそれから最終的に『どくさい国家「やさしさ」』になった決め手は何だったんですか?
岡本:決め手ですか。
ー私は「ヒッピーマウスサイケデリックランド」が有力だったのかなって勝手に想像しちゃいました。
岡本:いやそれめっちゃ酷評されました。
ーあれ!そうなんですか?
岡本:いやなんかやっぱ皆こう、わかりやすいのがいいじゃないですかやっぱ。だからけっこう反対はされてたんですけど。
もともとすごい過激なやつがやりたくって。過激っていったら「独裁」かなって。
ー去年はそんなに過激じゃなかったんですか?
(昨年のポスター)
岡本:まあまあ過激は過激だったんですよ。池の上で相撲とってたりして。
ーそれは過激ですね(笑)。落とされたらばちゃーんってなるみたいな?
岡本:そうですね。めっちゃ汚いんすよ池が。
ーそれを掃除もせずに!じゃあ、岡本さんの理想の過激な学祭ってどんなものだったんですか?
岡本:メインオブジェがぶっこわれてたりとか、一面同じカラーで埋め尽くされてるみたいな世界観だったんですけど、まあ反対されたんで「じゃあいいや」ってなって。
ーそれでも「独裁」へのこだわりがあったと。
岡本:「独裁」ってなんかこう、物を統一してるじゃないですか。だからその統一感みたいなカラーが出るっていうのは、「こうゆう芸祭なんだよ」っていうのがわかるかなーって思ったんですけど。
ーなるほど、エッジが立つと。
岡:そうです。でも「独裁」は過激すぎるって反対されるから、なんかちょっとゆるめにしようと思って。で、『どくさい国家「やさしさ」』って言ってみて。
ーワンクッション置いてみたんですね?
岡本:そうです。それでもけっこう反対あったんですけど、無理やり僕がやりたいっつって、決めました。
ーあ、そこけっこう独裁で決めはったんですね。
岡本:そうですね。
ーではこのテーマに沿った企画っていうのは主にどんなものがあるのでしょうか?
岡本:企画自体はそんなに無くて、パレードかな。学内パレードを芸祭の2日目にやるんですけど、それで、市立芸大の音楽科の人がリコーダーの四重奏をしながら練り歩くっていう。
ーそれが本部の企画みたいな感じですか?
岡本:そうですね。
ーでは岡本さんが実行委員長として今回の芸祭で一番お客さんに見て欲しいところってどこですか?
岡本:芸祭委員が作ってくれたメインオブジェっていうのが「ゲート」で。えっと入り口から入られました?
ーはい、今ちょっとアーチみたいなんができてるところですか?
岡本:そうですそうです。あのアーチ、ミシンのデザインなんです。
(メインオブジェクト※製作途中)
岡本:それとあとイベントスペース。向こうにメインステージがあるんですけど、そのメインステージとかはすごい頑張って作ってくれたので、それとか。
(メインステージ※製作途中)
岡本:あとゲストさんにリリー・フランキーさんが来るのと、あとゲストライブと、とかなんかそうゆう”芸祭委員”が頑張ってくれたとこですね。
ーその他の模擬店も、このテーマに沿って作られているんですか?
岡本:特に強制ではないんですけど、今年は自然とそうゆう感じにしてくれてる人が結構いますね。『どくさい国家「やさしさ」』のコンセプトで「くつろげる」っていうのがあるんですけど、それに沿ったなんかゆるい感じのテーマで押してきてくれてる模擬店がいくつかあって。
ーでは実行委員会からのはたらきかけではなく、自発的な動きなんですね。
岡本:はい。あ、でも模擬店には『どくさい国家「やさしさ」』のアイコンの旗を渡してるんですけど、それをお店につるして下さいと言ってます。
ーあの旗っていうのも、岡本さんがお作りに?
岡本:だいたいマーク関係は僕と本部の人で一緒に作りました。
ーあれはどうゆう意味があるんですか?
岡本:マークは「くつろげる」っていうコンセプトで、メインモチーフになっているのがパジャマなんですけど、パジャマをハンガーにかけて、ハンガーが「やさしさ」の「や」っていう字っぽかったんで、それっぽくしたっていう。
ー『どくさい国家「やさしさ」』あの絵っていうのはどなたが描かれたんですかね。
岡本:それは僕ですね。
ーそうなんですね!岡本さんは絵を描かれる専攻なのでしょうか?
岡本:僕は日本画専攻で。
ーなるほど!新庄さんと小林さんはどちらの専攻なんですか?
新庄:僕は”構想設計専攻”っていう、なんかよくわかんないと思うんですけど、映像とか音楽とかやってるとこです。
小林:私は総合芸術学科っていう、研究中心の学科にいます。
ーお二人にはどうゆう流れでテーマソングのお話が?
岡本:2人とも芸祭委員なんですけど、新庄くんが音楽が作れるっていう話を聞いて頼んだら、なんかめっちゃいいの作ってくれたっていう。
ーいやあれほんと良かったですよね!「え、一回生!?」ってびっくりしてしまって。それからちょっと色々見たんですけど、市立芸大に「たまご☆クラブ」っていうアイドルグループがあるって情報を得まして。
新庄:(笑)
ーそのプロデューサーもされてるって聞いてすごいなって思って!
新庄:恥ずい。
ーいやいや(笑)!「たまご☆クラブ」はどういったアイドルグループなんですか?
新庄:芸祭というよりは市立芸大の企画のアイドルで、有志で集まったアイドルグループです。
ーポスターから何からとても本格的ですよね。
新庄:ポスターは三回生のビジュアルデザインの人が作ってくれて、今回の芸祭でCD出すんですけど、それのジャケットとかも作ってもらったっぽいです。
ープロデューサーってことは曲作ったりとか?
新庄:僕はほんと曲を作っただけです。歌詞もメンバーが書いてくれたし。
ー音楽は前からずっと作ってらっしゃったんですか?
新庄:高校くらいから打ち込みとかで。
ーあのテーマソング、もっと再生回数増えればいいのにって勝手に思ってて、だから今回ちょっと記事書いて増えへんかなって思てるんですけど。
新庄:増えて欲しいですね。
岡本:増えて欲しい。
♪京都市立芸大祭2015テーマソング『どくさい国家「やさしさ」のこもりうた
ー学祭用の曲っていうのは何曲くらい作られたんですか?
新庄:たまごクラブが3曲と、テーマソングが1曲と、ファッションショーも企画であるんですけど、それの曲が18分弱くらいある曲を作ってますね。それもコーラスは小林さんに歌ってもらって。
ー小林さんはどうゆう経緯で歌うことになったんですか?
小林:声をかけてもらって。
新庄:サウンドクラウドを俺が見つけて。
小林:Twitterに載せてたんで。それを聞いてくれて
新庄:で、「これや」ってなって。「めっちゃ声がいい」ってなって。
ーじゃあ夢の共演だったんですね!小林さんも普段から歌を歌っていらっしゃるんですか?
小林:はい、趣味ですけど。
ーそれも高校時代からって感じですか?
小林:そうですね。
ー「うたってみた」とかそうゆう?
新庄:違うよなあ。あーゆう感じじゃなくて。
小林:人のカバーはしてるんですけど、弾き語りで。
ーなんか楽器を演奏されるんですか?
小林:ギターでやってます。
ー新庄さんは他にも曲作りっていうのはされてたりするんですか?
新庄:自分の制作物として作ってて、わりと定番ソングとか、たまごクラブみたいなキラキラしたのじゃなくて、もうちょっと落としたものを作ってて。バンドとかじゃなく、1人でやってる人って感じですね。
ー芸祭のお客さんって毎年どれくらいの数の方がいらっしゃるんですか?
岡本:えーっと、去年は3日間の延べ人数で6000人くらいであんまり多くなくて。
ーそれはあんまり多くない方なんですか?
岡本:いや、去年はけっこう多かった方で6000人だったんですけど、ほとんどOBさんとか学内の関係者さんが多くて、地域の人とか身内の人とか。あんまり外部からそんなに人が来ないっていう。
ー今年の目標人数みたいなのってありますか?
岡本:目標人数ですか?なんにも考えてなかったです(笑)。
ーやっぱOBさんとか以外にも一般の人に来て欲しいっていうのはありますか?
岡本:それはすごくあります。ほんとは1万人くらい来てくれたらうれしいですね。
ーじゃあ、別に内部だけで楽しんでるんだよってわけでは全然ないのですね!では特にどうゆう人に楽しんでもらえたら嬉しいでしょう?他大学の同じ学生とかでしょうか?
岡:他大学の人とか来てもらえたらすごい嬉しいですね。他大学の学生さんとかに雰囲気味わってもらえたらおもしろいかなと思うんですけど。
ー絶対刺激になると思います。多分来年ちょっと他の大学がんばろってなると思うんですよね。「こんなことやってはんねや」みたいな。
ーじゃあ皆さんが個人として、今回の芸祭で一番楽しみにしている企画ってなんですか?
岡本:さっきの話と全然関係ないんですけど、万博で展示された音響彫刻が大学会館に展示されてて、それを楽器のひとつのパートに加えたコンサートがあるんですけど、そのコンサートが僕は一番楽しみです。
ー音響彫刻っていうのは普通の楽器みたいなものでしょうか?
岡本:そうですね。こすったり、特定の行為をすると音がなるっていう彫刻作品で、デカイんですけど結構、それを演奏して、それと一緒に音楽科の人がコンサートをするっていう。
ーそれは大変貴重な舞台ですね!では新庄さんのオススメは?
新庄:DJ部っていう集団がいるんですけど、DJをするっていうイベントがよるにあるので、それに自分も出るし、けっこう楽しみですね。既存の曲を流して、つなげて、流して、つなげて、流して。クラブみたいな感じですね。
ーそれはどこであるんですか?
新庄:どこやっけな・・・。どこで自分がDJするのかあんまよくわかってない(笑)
岡本:食堂じゃないの?どの企画?「今夜はさだまさし」?
ーん、ちょっと待って下さい。「今夜はさだまさし」っていうのがあるんですか?
岡本:そうです。毎年「今夜はさだまさし」っていう謎のDJの集いが。
ー毎年あるんですか!え、さだまさしさんが卒業生ってわけではなく?
岡本:いや全然違うと思います。なんの意味があるのか全然わかんない。
ーもう元が分からないくらい前からやってるってことですか?
岡本:いやわかんないです、いつからやってんのかもよくわかんないです。全然知らないです。
ーほんとに謎なんですね(笑)!
新庄:イベント中はお酒も入ってるし。
ーえ!お酒飲んでいいんですか?
岡本:あ、うちの大学はOKです。入場の時にアルコールパスを押したらできるみたいな感じです。
新庄:もうアルコール入ってるし、なにやっても楽しいみたいな。
ー楽しい独裁国家ですね(笑)!それでは小林さんは?
小林:私はライブセクトに入っているので、ゲストライブをやるんですけど、それですね。
新庄:あ、俺もライブセクトやん(笑)
ーあ、お二人はライブセクトなんですね!今回は誰がいらっしゃるんですか?
小林:タテタカコさん、山田エリザベス良子さん、その他の短編ズさんの3組です。学祭二日目のお昼から2時間くらいあるのでぜひ。
ーもう盛り沢山ですね。学生さんの企画もおもしろそうやし、さらに外部からのゲストも来はるし、さだまさしさんいるし。
岡本:いやさだまさしさんはいないです。
ーじゃあ最後に、来てくださる他大学生さんなどのお客さんへのメッセージをお願いします。
岡本:なんだろな。酒のんでくつろげるお祭です。
ーだいぶ魅力的ですね(笑)!じゃあ新庄さん。
新庄:いろんな企画に呼んでくれたら曲を作るし、来年とかでも作るし、DJもやるし、呼んで下さい。
ーあ、新庄さんご自身の売り込みの(笑)。じゃあほんとに他の学祭とかからお呼ばれしたりしたら行くよっていう?
新庄:作ります!
ーじゃあがっつりYouTubeのアカウント載せときますね。
新庄:実際あのアカウントから曲聞いてくれた人をきっかけに、東大の学祭とかも音楽の担当やってたりするので。
ーえ!じゃあ今年の東大の学祭ですか?
新庄:今年のやつです。
ーネットで探したら出ます?
新庄:その企画が11月半ばとかなんで、まだ出てないと思いますけど、曲を作るって感じでは無くて音楽関係の監修とかやってるんで。また他のも呼んで下さいって感じです。ほんまに楽しいんで。
俺まだ芸祭って経験したことないんで、楽しくなればいいなと思います。3日間もあるし。
ーありがとうございます!では小林さんお願いします。
小:まあちょっと来にくい場所ではあると思うんですけど、来るだけの価値はあると言いたいです。
ーおお!最後に力強いメッセージありがとうございます!
日程:10月31日(土)〜11月2日(月)
場所:京都市立芸術大学 京都市西京区大枝沓掛町13-6
アクセス:京阪バス「芸大前」下車すぐ(詳しくは大学HPをご覧ください)
facebookページ:https://www.facebook.com/kyogeisai2015/
Twitter:https://twitter.com/2015kyogeisai
大学HP:http://www.kcua.ac.jp/
投稿日:2015.11.01