「そもそも香木ってなに?」
「人工香料との香りの違いは?」
天然の香木について、香道体験を通して学んだレポートです!
樹木からとれる香料のことで、主に伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)などを指します。
香りの元となる樹脂が木の中に少しずつ蓄積され、それが熟成されたものが「香木」となります。
樹脂は1ミリたまるのに10年以上かかり、さらにそこから熟成を経るため、香木が出来上がるにはかなりの時間がかかるのです。
特に伽羅の良品はベトナム周辺でしか採れないため、古来から超高級品として扱われていました。
正倉院宝物として香木が収蔵されていることからも、その貴重さが分かります。
かの有名な織田信長は、自らの権威を示すために東大寺秘蔵の香木を勅許を得て裁断したそうです。
徳川家康はかなりの香木オタクだったようで、名古屋の徳川美術館には2600点もの香木が収められています。
これらの史実からも分かるように、香木は大変貴重であり、その香りで人々を魅了していたのでした。
さて、香木を燃やすだけでは木の繊維までもが一緒に燃えてしまい、煙たい香りになってしまいます。
純粋に樹脂の香りだけを楽しみたい、そのために生まれたのが「香道」です。
樹脂だけが香り立つように香木の小片を温め、香りを「聞く」のです。
香炉に銀葉を敷き、その上に香木を置きます。
銀葉の表面は150〜200度に保たれるので、樹脂だけが香り立ちます。
香木の香りは、同じ伽羅や沈香という種類でも木によって異なるそうです。
微妙な違いを感じるには、「嗅ぐ」のではなく心を落ち着けて香りを「聞く」。
だから「聞香」というそうです。
奥が深い!
百聞は一見に如かず!ということで早速やってみましょう。
まずは香炉をセットします。
茶道のようにお手前が決まっています。
山田松香木店の方が実際にデモンストレーションを見せてくださいました。
今回挑戦するのは「源氏香」。
全部で5つの香りを聞き、どれが一緒だったか?違ったか?を当てるものです。
その組み合わせはなんと52通り!
源氏物語は54帖あるので、それぞれに帖のタイトルが割り振られています。
「52通りもあるのに当てられるの…!?」
始める前から不安になっていると、山田松香木店の方からアドバイスが。
「甘、酸、辛、鹹、苦の五味を基準に考えると分かりやすいですよ!」
なるほど…その基準で香りを聞いてみよう!
ちなみに「鹹」は塩辛いような香りのことだそうです。
初めてのお作法に緊張しながら、香りを聞いていきます。
明らかに香りの違いが分かるものもあれば、すごく似ていると感じるものもあります。
難しい!けど楽しい!
5つ聞いてみた感想がコチラ。
(2番目に「木っぽい」って書いてるけど当たり前!)
このメモを元に「源氏香の図」から自分の思う組み合わせを選びます。
私が選んだのは「藤袴」。
2番目と5番目の香りが同じで、その他が違う香りという組み合わせです。
2、4、5が同じ香り、1、3番がそれぞれ違う香りの「蛍」でした!
「藤袴」を選んだので4番目だけをミスしました。惜しい…!
というわけで、5点満点中4点。
初めてにしてはなかなかの出来です(自画自賛)!
香道を体験をするのは初めてでしたが、微妙な香りの違いを聞くのはとても楽しかったです。
普段の生活では香水やボディクリームなど、人工的な香料に触れる機会が多いのも事実。
もはや人工香料が当たり前になっているので、天然の木からこんなに良い香りがするのを不思議に思ってしまいました。
今回の聞香体験で、天然の木の香りに触れて、その魅力に初めて気づくことができました。
若い人にこそ体験してほしいです。
修学旅行やお友達との旅行に香道体験を是非!
山田松香木店の皆様、ありがとうございました!
投稿日:2017.03.09