この立地でこの価格と質を提供できるのは傘(きゃさ)以外にはないだろう。 日本酒を揃える立ち飲み屋はよくあるが、焼酎が豊富に取り揃えてある立ち飲み屋は珍しい。 店に入って酒を注文したら、とりあえず何も考えずに、100円小鉢でおつまみをスタンバイさせる。 小さな小鉢にいろんなおつまみが入っており、その中から選ぶのだ。(私が見た時は、ニンニク紫蘇漬け・子芋の炊いたん・イカの塩辛などなど) この小鉢はどれを選んでもハズレはないので、安心して直感で選んでほしい。 会計方法が面白い。 目の前に置かれたどんぶりに、とりあえず現金を入れて、その金額に達するまで注文をし続ける。 そして、注文金額がどんぶりの値段を超えるとまた千円を追加する…というシステムである。 キャッシュオンではあるが、毎回のお釣りのやり取りがなくなる。 この画期的なシステムは、他の立ち飲み屋でも取り入れるべきだと思う。
店名に嘘偽りは一切なく、その名の通り、メニューの多くが100円なのである。(ちなみにチャージも100円) 店内はいつも混み合っており、かなり人気があることが見受けられる。 キャッシュオンでも注文できるが、お得な1100円分のチケットを購入することをお勧めする。 このチケットを買ってしまえば、あとはメニューを注文するたびにスタンプを押すだけなので、いちいち財布を出す手間が省けて楽ちんなのである。 小分けにパックされてあるお惣菜を好きなだけあっためて、自分で席まで運んでいくスタイルで、客の自由を尊重する方針だとかそうじゃないとか。 錦市場が近いので、外国人観光客が多く、客同士の会話も生まれやすいため、非日常的な出会いがあるかもしれない。
若者でにぎわう京都随一のショッピングエリアに、かなり味のある外観をした建物がある。 その建物こそ、ザ・大衆酒場「たつみ」である。 こんな立地なのに、店内の平均年齢はかなり高い。 半径100メートル内のおじさんをすべて集めてきたのかと思ってしまうほど。 しかも、脅威の昼呑み率。 当たり前のように、昼からひっかけている人ばかりである。 店の中はかなり、異空間であるが、そうなってしまう理由はメニューのラインナップを見れば納得。 天ぷら、かつ、煮物、珍味…こんなメニューだったら、おじさんが昼呑みしてしまうにきまっているのだ。 おすすめは、見た目を裏切るほどあっさりとした味付けのどて煮。 一度行くと、絶対二回は頼んでしまう。 ちなみに、立ち飲み席と、椅子があるテーブル席がある。
西院で、予約しないと入れないほどの人気店「布」の、二号店が立ち飲み屋として折鶴会館にオープンしている。 ただでさえ風格がありすぎて?入りにくい雰囲気の折鶴会館なのに、その一番奥に位置するため、少々入店に勇気が必要かもしれないが、ぜひ行ってみてほしい。 本店と同じく、食事のクオリティーが高く、立ち飲み屋でもばっちり安定感がある。 ブルーチーズのポテトサラダや、ウズラのから揚げなど、定番のメニューに少し一工夫加えてあり、好奇心が刺激され、ついつい全部頼みたくなってしまう。 混んでいることが多いので、早めの時間を狙うのが吉。
ワインは280円から。 西院で手ごろに美味いワインが飲める店は、私の知る限りではかなり少ない。 内装は、かなりおしゃれで、店に入っただけで気分が高まる。 恋人と行くというよりは、友達とワイワイガヤガヤ、一件目で物足りずざぶざぶ呑みたいときに利用するイメージである。 そんなときはボトルを注文するとさらにさらにお得。
清潔感がある店内、若くてきれいな店員、しかも禁煙、立ち飲み屋の概念を覆してくれるのがすいばである。 最近の立ち飲み屋ブームは、こういうおしゃれな店のおかげではないだろうか。 すいばは、デートでも行ける貴重な立ち飲み屋なのである。 そのおしゃれな店構えとは裏腹に、日本酒の品揃えが豊富なので、コアなのんべえたちも満足できること間違いなし。 お造りやお惣菜まで、つまみはどれを頼んでも外れなくおいしいのが素晴らしい。 本日のお惣菜はいつもメニューが変わっており、毎日来ても飽きないだろう。 近くに居酒屋が沢山ある中から、すいばを選ぶ価値は十分にある。
四条大宮、いや京都で最も人口密度の高い店は、ずばり庶民である。 満員電車で呑んでいるのではないかと錯覚してしまうほどだ。 絶対に入れないだろうとは思いつつ店内に顔を突っ込むと、店員が奥のほうのほんの少しの隙間に案内してくれるので、外から見て満員だからといってあきらめるのはもったいない。(満員の中動き回ると迷惑がかかるので、トイレは済ませておいた方がベター) 驚くのはここから。 生中250円。衝撃の激安価格。 お造りも低価格なのに種類豊富で、安いからといってなめてはいけない。 千円で酒が三杯とアテ二品頼めておつりがくる店は、京都にはなかなか珍しいのではないだろうか。 その代り、客層もかなり衝撃的なので、心して行くことをお勧めする。
折鶴会館で一番盛り上がっている店といえば才。 立ち呑み屋にしてはかなり大きな店舗で、常にカウンターは一杯である。 他のグループとの会話が生まれることはほぼなく、立ち飲み屋ビギナーでも気軽に利用できる店である。 焼き鳥や、揚げ物はもちろんだが、絶対に食べてほしいメニューは、クリームチーズのかつを昆布じめと、トマトチューハイ。 お会計千円につき一枚もらえる割引券は、10枚ためるとドリンク一杯なので、割引券の束が財布を圧迫してしまう。 なぜポイントカードではないのか、だれも聞いてはならないというルールがあるのかもしれない。
こんなにおいしい食べ物が、こんな安さで提供できるのは、立ち呑みしかないだろう。 樫尾酒店は、パテや生ハム、燻製など、折鶴会館の中ではずば抜けておしゃれな品揃えである上に、禁煙というのが女性にはたまらなく魅力的である。 樫尾酒店のFacebookページを見るとおいしそうなメニューの仕入れ・仕込み状況がアップされていて、一度行かずにはいられなくなる。 ハッピーアワーでビール300円チューハイ250円だからというのはもちろん、遅い時間は混み合ってくるので、お勧めの時間帯は20時までの早い時間である。 余談であるが、ほろ酔いセット「テキーラ3杯、ビール1杯」は、とある常連のためのメニューだそうで、一度は頼んでみたいものだ。(ここにおいてあるテキーラはかなりおいしい)
何より「安い」。 メニューは百円台のものからあり、かなり財布に優しい店である。新宿会館という、スナックだらけの建物の奥にひっそりと、こじんまりとあるため、ふらっと偶然立ち寄ることはまずないだろう。 しかし、店員さんはとても元気な雰囲気で新規客にも気さくに話しかけてくれるため、入りにくいなんて思わないでほしい。 オススメメニューは、冬季限定かもしれないが、おでんの牛すじ。 牛すじには、こだわりがあるらしく、ぜひとも注文してほしい。 揚げ物中心のメニュー、いろんな味のチューハイ、コの字型のカウンター、これほどスタンダードな立ち飲み屋は珍しいのかもしれない。