東福寺の塔頭の一つ。通称の雪舟寺。京都最古の蓬莱式枯山水庭と言われ、近畿地方唯一の雪舟作庭として知られている。 【鶴亀の庭】(南庭) 白砂と苔、植栽の簡素な庭で、苔地の中に鶴島と亀島を配した立体的な石組となっている。一見すると大きな立石の目立つ西(右手)の石組が鶴島のようだが、実際は逆で東(左手)の石組が折鶴を表わしているという。右手の亀島は、夜な夜な動き出す亀石に石を突き立て動かぬようにしたものという逸話がある。 【東庭】 鶴亀石組みの枯山水庭園。南庭を修復した際に、重森三玲が新たに作庭した。南庭は亀島を中心としているのに対し、東庭は鶴島を中心とし蓬莱の連山を表現していると言われている。
【九山八海の庭】 江戸時代中期に作庭され、その後荒廃していたものを現代の作庭家・重森三玲により復元・作庭された。須弥山を表す遺愛石を中心に据え、同心円状に白砂の砂紋を描き九山八海を表現している。 【臥雲の庭】 北に枯滝を組み、白砂で渓谷に流れる川と、山腹に湧く雲を表現しているとされる。 滝からの流れが石橋を潜り、南庭の九山八海へと流れていく。 右手奥の築山には枯滝が組まれている。小石が敷かれ、尖った鯉魚石がその急流を遡上している。また、茶室としては珍しい、二階建ての茶室「観月亭」もある。