このサイトは就職活動をする中で、
「やりたいこととかわかんね~し。」
と、さじを投げそうになっているアナタのためのサイトです。
とりあえず就活サイト登録して、
とりあえずたくさんエントリーして、
とりあえずES書いて、面接行って、
とりあえずそれっぽい「志望動機」言ってませんか?
頭でこねくり回した「志望動機」。それ、全然伝わってません。
「就活」の情報に踊らされ、ボックス踏むのはもうやめよう。
(しぼうどーきHPより抜粋)
なんとも毒舌なこちらのサイト。
実はこちら、就活直前・真っ最中な学生達によって運営されている、
就活生に向けた情報サイトなのです。
こちらのサイトでは、
大学生時代から起業してレコード会社を設立した人や、
高校卒業後フランス料理店に修行に行って、今はフリーで料理人をやっている人、
中学卒業後すぐに働きだし、現在京都でカフェを営んでいる人、
など、自分のやりたいことをそのまま仕事にしている人々を取り上げたインタビュー記事が掲載されており、
その仕事に就いた理由やその奥底にある「欲求」をほりさげ、
「志望動機」を逆算して見つけるということに挑戦しています。
そんな、今の”就活”に一石を投じるようなイケズなサイトは一体どんな経緯で誕生したのでしょうか?
また、運営しているのはどんな学生なのでしょうか?
徹底的に取材してきました!
インタビューしたスタッフの皆さん
橋本崚 さん
通称:りょうくん
立命館大学産業社会学部 人間福祉専攻 3回生
ライター担当。
福祉を学ぶ傍ら、「食という観点から東北に興味を持ってもらいたい! 」という想いで「きっかけ食堂」という飲食店を月に一日限定で出店中。
就活へのイメージ:特に何も考えていないが、楽しそうなイメージ。
右近華子 さん
通称:うこんぬ、華さん
立命館大学産業社会学部 メディア社会専攻 3回生
HP制作・デザイン・ライター担当。
橋本くんと同じく「きっかけ食堂」にて活動中。
就活へのイメージ:「模倣」。
村松なほ さん
通称:まつびー
立命館大学産業社会学部 メディア社会専攻 4回生
立命館大学国際協力サークル”Ricoppine”にて活動。現在はサークル活動を引退し、就活真っ最中。馬が好きだからとりあえず馬に関われる仕事につきたい。
就活へのイメージ:良くは無い。
「しぼうどーき」を始めた「どーき」
橋本さん(以下「橋」):僕が「他大学合同ゼミ」っていう色んな大学の色んな学生と一緒に交流しようという企画の主催を引き継いだ時に、様々な働き方をしている方を毎回ゲストスピーカーとしてお呼びして、皆で価値観を広げていこうっていう方向に持って行こうとしてたんです。
そしたら一緒に企画に携わってくれてた先輩達が、ゲストスピーカーの方のお話を文章化したり、毎回過去の様子が見れるようにアーカイブしていくってことを提案してくれて。
最初はそれを『21歳のハローワーク』っていう名前を付けてまとめていこうとしてたんです。
ーーーー他のメンバーの方はどういった経緯で参加されることになったのですか?
村松さん(以下「村」):私は、今一緒にスタッフやってる同期の子と別のことで打ち合わせをしてて、「このあと『21歳のハローワーク』の第一回のミーティングやるからまつびーも残ってけば?」って言われたから、「あー。うーん。」って残ってたら、いつの間にかスタッフになってました(笑)
右近さん(以下「右」):私は最初はサイトのデザインとコーディングを頼まれて、そこからライターもするようになって、という感じです。
橋:最初は、HPじゃなくてフリーペーパーという案もあったんですよ。
村:「巻物にする」っていう案もあったよな。「巻物にして忍者の格好で配ろう」っていう(笑)。
橋:ああ!なんか「刀鍛冶」とかもありましたよね(笑)。結局いろいろ案が出た結果、若者に一番キャッチーなのはwebサイトなんじゃないかって話になって、じゃあサイトを作るには学生のスペシャリストが必要だなってなって華さんに声をかけました。
実は皆「志望動機」の本当の意味を理解していない?
就活は、企業と学生のお見合いみたいに、お互いの考えや欲求をすり合わせていくためのものなのに、自分を知るという作業をすっ飛ばしてる人が多い。
そう思って、何か本当の意味での「志望動機」について考えるための参考になるようなものを提示しようということで、だんだんと方向性が変わっていったのだそう。
ーーー前身の企画『21歳のハローワーク』のコンセプトが「価値観を広げる」ということだったのに対して、『しぼうどーき』ではまた少し違ったコンセプトがあるように思います。どのように変わってきたのでしょうか?
村:まず、「就活」という王道の道が確固たるもの過ぎて、それ以外の道の例がないという気がしたんです。
企業研究して、ES出して、面接受けて、SPIテストやって、みたいな王道のいわゆる「就活」の例はいっぱいあるけど、そうじゃない道の参考にできる情報があまりにも私達になさすぎるから、他の事例っていうか。
その王道じゃない道に乗っている人たちの事例をいっぱい集めれば、参考にできる人たちがいるんじゃない?と。
ーーーじゃあ、その今の就活生に訴えたいのは「その道だけじゃないよ」ってことですかね?
村:今世間で言われてる“就活”は、あらゆる選択肢の中のひとつでしかないよってことですかね。でも、就活生に”訴えたい”っていうのはちょっと違うかもしれない。
ーーーあ、そうなんですか?
村:サイトとしてはそうかもしれないけど、自分としては、「就活生だから就活してる」じゃなくて、一旦自分で考えてみたら?くらいの意識でやってます。立ち止まって周りを見渡してみたら?くらいの。
まあ、自分は今立ち止まりすぎてる感はあるけど(笑)
「志望動機」とは「自分の奥底の声」=「根源的欲求」だ!
ーーーー記事を書くときに皆さんの中で何か共通のテーマみたいなものってあったんですか?
村:一番核となったのは、「”自分の中の一番下にある欲求”と”仕事“が実はつながっているんだよ」ということです。
例えば、『しぼうどーき』で取材した、古都レコード代表取締役兼ドラマーの新井ポテトさんだったら、”寂しがり屋”というところが”社長になる”という仕事につながってたりとかして。
そこの根源的欲求を見つめなおしてリンクさせないと、仕事を見つけられないよ。
「やりたいことがわからない」っていう人は、「まずは自分の深い欲求を探してみようじゃない。」みたいな。
橋:その根源的欲求っていうのも、誰もが持っていそうで、けっこう身近に感じること。
例えば「さみしがりや」「ほめられたい」「おせっかい」。身近なところじゃないですか。
そうゆう身近なところからこう、志望動機というか、仕事とかにつなげれるよみたいな。
まだ、自分は書いたことないけど、志望動機書くときなんかめっちゃ迷うっていうじゃないですか。
けどそうゆうところも、けっこう身近なところから考えようという感じです!「身近な欲求」がポイントで、「オレもけっこう褒められたがりやわ!」とか。「けっこうおせっかいって言われるな」みたいな。
取材先の選び方
ーーー取材先の相手の方を選ぶ基準というのは何かあるのですか?
村:最初は黒板に、思いつく限りの人の名前と職業を書きました。
右:個人の知り合いとかでもいいので。「この人絶対おもろいっすよー」とか
村:「この人の話聞きたい」とかバーって書いて、気になる人いる?ってメンバーに聞いて。 けっこう”ノリ”が強かったかな。
最初は知り合いの方が融通聞いたりとかするってことで、身近なところから攻めたということもあるかもしれないです。
ーーー”職業先行”で決めている感じですか?
橋:いやっ。職業というよりも、「どうゆう欲求から働いているか」というのを出したいから、”職業”よりも”人柄”重視という感じです。
右:私が出してた案の人は、いろんなことを同時にやってるから、いいかもっと思って出した人もいます。
村:だから基準みたいなのはあんまり無いかもしれない。「おもしろそう」とかそんな感じ。自分が興味持ったら、同じ世代の人も興味をもつはずだから。
「しぼうどーき」スタッフの就活のイメージ
ーーーではちょっと話を変えて、皆さんが個人的に思う日本の「就職活動」に対しての現状のイメージを教えて下さい。
右:「模倣」? みんな同じに見える・・・?
橋:んー。でも正直なんも、就活については考えてないですね。
右:確かに。
ーーー2人は3回生だからですかね?
橋:うーん。でもなんかおもしろそう。
右:うん。あんまりネガティブな気持ちではないです。
ーーーーまつびーさんは今就活真っ最中だと思うのですが、個人的には就活についてどう思われますか?
村:イメージは、良くは、無い。
橋:でもその「良くは無いイメージ」って「受験」みたいなもんじゃないですか?
村:「受験」は絶対に大学に行きたかったから。
ーーーなるほど、ゴールが限られてますもんね。
村:大学に行くことは最低条件で、「じゃあどの大学に行こう?」って感じやったけど、就職って、「会社員になりたい!」とかが底辺に無いから、「何かお金を稼ぐ手段が欲しい」とかだから、そこの上に乗るものってなんでもいいじゃん。
って思うと、さっきの正規の就活ルートに乗るだけが選択肢じゃないから、そこだけに100%になれなくて。 まさに今やってるの(「しぼうどーき」の取材)が、沁みてくるんだけど。
うん。全然興味が無い。正規のルートに。
かといって違うルートっていうのも、探すのは難しいっちゃ難しいじゃないですか。
だから”保険”っていうか、一応このルートは通った方が無難かなくらいの感じで就職活動してるけど、ほんとはそれに乗りたくない。ぐらいの気持ち。
ここで一番しっくりくるのが見つかればいいですけど。なんなら早くこの道から外れたいって思いながらやってます。
ーーー就活真っ最中の人がライターとして、ある意味マイノリティの人の話を聞くわけだから、それに影響とかされちゃうとぶれちゃったりとか、ある意味危険かなと思うのですが。
村:でもブレたらブレたで。なんか強迫観念みたいな、「絶対その道通らなきゃ」っていうのは無いかな。
あとスーツが気持ち悪い(笑) スーツを自分の考えで選択してるんだったらいいんですけど、思考停止してる人いるじゃないですか。「黒なんでしょ?だから黒。」みたいな。そんな感じだと、「ん?」ってなっちゃうんです。
一回スーツ売り場のお兄さんに聞いたんですよ。なんかやたらめったらスーツを押してくるんで、私嫌だったんで(笑)
「じゃあどうしてスーツなんですか?」って聞き返したら、「いやまあ、そうゆう風潮ってゆうかあ。そうじゃないと、浮きますよ?」って言われて。
「いや別に浮いてもいいから、高い服をそんな妥協して買いたくないんですけど」って言ったら、「いやでもー。」って被せてくるようにまた言ってきたから「ええ?」ってなっちゃって(笑)
橋:買わなアカンかな。新しいの。
右:いやでも私もあるやつで行こうと思ってる。
村:うん、ド派手じゃなければいいと思う。常識の範囲内だったら。
橋:なんでもいいじゃだめですかね?(笑)俺だってお父さんがスーツで出て行くとこ見たことないもん。福祉職だから。ジャージで出ていくもん。
学生から大人へのメッセージ
ーーーー最後に、この記事を見た大人へのメッセージをどうぞ。
橋:いや、これ(しぼうどーき)に出たいって人がいたらぜひ!
右・松:あー!(共感)
橋:普通に働いてるけど、めっちゃ満足してるし、別に適当に選んだわけじゃないんだぞっていう人とか。
右:絶対「反感」とか出てくると思いますこのサイトは。
村:でもわりと「かかってこい」って感じじゃない?(笑) 最初の出発地点からわりと挑発的だったから。
右:「もう時代は変わってるんやぞ」っていうね!
橋:そうですね(笑)。あと、就活生にも「こう見られちゃってるんだぞ」っていうのが伝わるといいかなって思います。
「しぼうどーき」では、
本能で働いている大人の記事を
学生が本能で動いて集めています。
我こそはという大人の皆さんはぜひ取材されちゃってください!
★ちなみに学生ライターも募集中とのことです!
◆募集対象◆
文章に自信のあるライター処女童貞、学生記者、学生ライター、Twitter職人、ブロガー、もはや文豪、夏目漱石の生まれ変わり、森鴎外の子孫、etc… ライター経験不問。 あなたに「書く」場所を提供します。 とにかく「書きたい」。そんな人を求めてます。
(公式HPより抜粋)
『しぼうどーき』
HP:http://www.shibo-do-ki.idvl.info/
ライター募集フォーム:http://www.shibo-do-ki.idvl.info/?page_id=197
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参考図書:『就活ゲーム』(Kindle版)
投稿日:2015.05.21