気になる店名「原価率研究所」
葛野西通、京都在住の方でもどこかわからない方も多いかもしれません。
葛野大路通の一本西が天神川通り、そのもう一本西、四条通の三菱自動車本社前から始まり、五条通りを渡り西京極総合運動公園の西側をぐるっと東に回り込んで七条通に合流する、比較的交通量はあるもののあまり有名ではない通りです。
この道を通る時、五条通のすぐ北側ですこし前から気になる場所がありました。
たしか以前は居酒屋だったと思うのですが、「原価率研究所」という、一見無機質な看板が掛かるようになったのは2017年の春。
一体何屋さん?
先日前を久しぶりに通ってみると、「カレー200円」「累計来客1万人突破」「¥200」等の看板やノボリが立ち並びます。
え?200円?1万人?
気になるので、ランチがてら頂いてきました!
まずはじっくり観察を
とはいえ、ちょっと怪しい(?ごめんなさい!)
まずは表からじっくり観察してみます。
カレーのメニュー写真と価格がたくさん貼ってありますね。
カレーライス200円、チーズカレー300円、オムカレー300円、牛スジカレー350円、カツカレー300円、唐揚げカレー300円、唐揚げカレー5個入り350円、エビフライカレー330円・・・
えーと、お値段を2倍にしても安いカレー屋さんです。本当にこんな値段で良いの?
え?「お冷はじめました?」
見たことがありそうで無い、不思議な張り紙が。
「初めてのお客様へ」という張り紙もあり、色々注意事項が書かれています。
1.当店は前払い制です
2.ドリンクの持ち込みはOKです。現在試験的にお冷を準備しており紙コップ代は30円です
3.お食事後は、使用済み容器とスプーン等はご返却口のゴミ箱へ、使用済みトレーはトレー置き場へ
4.駐車場はございません
えーっと、何だかルールの多い面倒くさいお店(?ごめんなさい!)
怖い店?全然そんな事はありません!
おそるおそる入店してみると、お姉さんが一人で切り盛りしてらっしゃいました。
注意書きの通り、まずは注文とお会計を。えーっと何にしようかな・・・
「チキンカツカレーおすすめなんですけど、今日はもう終わっちゃったんです。すみませんー」と明るく教えてくれます。
えっと、じゃぁカツカレーとエビフライカレー、オムカレーをお願いします。今日はテイクアウトで。
「300円が2点と330円、930円になります!」
感じの良い接客です。そのうえこの値段で税込みなんですね!
「今から揚げますので少々お時間いただきます!掛けてお待ち下さい!」
全然オッケーですよ!店内ちょっと見せて下さいねー
カウンターの上には100円と80円のジュースが並んでいます。
確かに、ウォーターサーバーには「紙コップ¥30」の張り紙。ただしコップの持ち込みもOK(当然お冷を入れてOK)、お冷で稼ぐわけではないですね(笑
隣には色々なスパイスと、「スパイス募金箱」があります。
ウスターソースとトンカツソース、ガラムマサラ、各種スパイス、ハチミツなどがあります。
どうやら募金箱のお金でスパイスを仕入れるそうです。
「何かリクエストがあったら教えて下さいね!」
他にも色々張り紙が。
えーと、15000人ですか。たしか春くらいからだし、半年くらいですか?
「そうなんですよーつい先日15000人突破しました!近日中にSNSでキャンペーンやると思うので、是非応募してくださいね!」
そうなんですね。なんか15000ってすごいですねー
他にも手作りっぽい張り紙が多数。
だんだん、安さの秘密わかってきましたよー
「本当に細かい所でコストカットしてるんです!」
などなどお話している間にカレーが出来ました。
帰りがけには扉を開けて
「ありがとうございましたー!」
と送り出してくださり、かなり好印象!
200円カレー、実食してみます
持ち帰ったカレーがこちら。
カツカレー300円
エビフライカレー330円
オムカレー300円
ふわふわ卵が思ったよりたっぷり!
ハチミツとウスターソース、シナモンをトッピングしています
どれもなかなかのボリューム、ずっしり重いです。そしてなかなか美味しそうな見た目ですよ。
実際食べてみると・・・あ、思っていたよりおいしいかも(?失礼しました!)
「めちゃめちゃ美味しい!」って感じではないですが、個人的にはコンビニやお弁当屋さんのカレーよりはこっちのほうが好きです。
レトルトの味とはまた違って、給食や学食って感じでもないし・・・
食べながら色々考えていたのですが、「部活やサークルの合宿に行った先の民宿で出てきそうなカレー」という表現が一番ぴったりかなぁ。
カツも思ったよりしっかり。100円とは思えないクォリティ。揚げたてサクサクです。
白米は見た目よりしっかり詰まっています。しっかりお腹いっぱいになります!
強いて言えば、個人的にはルゥがちょっと薄い印象。ウスターソースと合わせると良いかも。辛いのが苦手な方はハチミツも甘さとコクが出て良い感じ!
安さの秘密と原価率研究所の想い
これは面白そうな店だなーということでサイトを検索してみます。
http://www.genkaritsu.jp/
新潟発祥、東日本大震災で避難して創業されたんですね。
新潟に6店舗、関東2店舗と京都のここ西京極。
色々気になることが書いてあります。
「食べることは生きること」「世界のために何ができるか」
スケールの大きな話になっています。
「全国1,000店舗を当面の目標に」
「当研究所の目指すおいしくもなく、不味くもない普通の味のカレー」
「100円玉2枚で1食分の食事を済ませられることがひとつの常識になることを目指し」
色々気になる言葉が並びます。ツッコみながら見てみるといや、これはしっかり考えられていますよ。
どうやら200円の秘密は
・徹底した省力化、そのため店内で飲食する時も使い捨て容器・スプーン。水も紙コップで。
・必要最小限のサービス。ドリンクは別販売(ただし持ち込み可)
・10分で50食を作れる、オリジナルのルゥ
・「美味しいを追求」ではなく「普通を追求」
このあたりにあるようです。
飲食店で「美味しい!を追求しない」というと、賛否両論ありそうな気がしますが、これはアリだと思いますよ。十分おいしいし感じも良い。近所にあったら通っちゃうかもしれません。
営業時間は11:00〜20:00、ランチだけではなく「今日はちょっと疲れたし晩御飯作るの面倒くさいなぁ」という時に買って帰る、なんて使い方も出来そうです。
ぜひ一度行ってみて、おすすめのスパイス・食べ方を見つけたら教えてください!
投稿日:2017.10.13