【前回までのあらすじ】
こんにちは!私は主人公のコマレ!京都に観光にやってきた女子大生だョ!
金閣寺に行こうとしてた私は、あまりに整頓された京都の区画に混乱。ついに迷子になっちゃったの!そこでたどり着いた公園で、謎のペンギン「ぴーちゃん」という研究者(?)に出くわしてしまったの!そしてなぜか京都の謎の公園「お皿公園」についてのプレゼンを聞くことに・・・。(わけがわからないあなたは、前回の記事へGO!)
って、あれ?
「そうじゃん!金閣寺じゃん!」
コマレは勢いよく立ち上がり、
「あ!でも道わかんないんだった!あ゛ぁあ゛!!」
すぐしゃがみこんだ。
「なんだそんなに慌てて。金閣寺だったら私が案内してやるぞ?」
「え!本当ですか!」
「ああよいとも。しかしここで会ったのも何かの縁だ。少しだけお皿公園で遊んで行かないか。」
「え?遊ぶ?」
「簡単なゲームだよ。」
「お皿を登って、アレに先に辿りついた方が勝ち。どうかね?」
「うん、まあ、それならあんま時間もかかんないか・・・。」
「よし決まりだ。ではスタートは君のタイミングでいいぞ。」
やるからには、コマレは勝つ気満々だった。
「じゃあ行きますよ。よーい・・・。どん!」
完璧なスタートダッシュ!なんだ余裕じゃん、と思ったその時だった。
ぴーちゃんは、隠し持っていた砂を、コマレの足元にぶちまけた。
砂でお皿が滑って全く前に進めない。
「ギャー!!」
「ふむ、他愛ないな。」
「ずるだー!ペンギンがずるしたー!!」
「何を言う。これはれっきとした技だぞ。50人の聞き込みで40代の男性から実際に仕入れた証言を試しただけだ。子どもの遊びというのは時として冷酷なものなのだ。」
「くそー!なんでちょっと偉そうなんだー!くそー!」
「てか危なすぎるでしょこの遊び方!」
「そう!現代社会では絶対に規制される遊び方だ。」
「そう!じゃねえ!謝れ!」
「では現在のお皿公園では、一体どんな遊び方がされているのか?先日とあるお皿公園で、3時間の張り込み調査を行った。そこで、幼稚園児〜小学生の間で見られた遊び方は、主に以下のようなものだ。」
・お皿の中で鬼ごっこ
・お皿の端から端を行ったり来たり
・お皿の頂上から下まで走り降り、その勢いでボールを投げる
・お皿のへり部分で集まり、女子会
・お皿の頂上でカップルのヒソヒソ話
「えっ、最後っ。ませてるなあ。」
「そして私が見た中で一番平和的、かつエキセントリックだった遊び方がこれだ。」
「・・・え?それ何が楽しいの?」
「わからん。わからんが、本人たちはキャッキャと笑いながら何度も繰り返し靴下を投げていたよ。いやはや子どもの発想は宇宙だ。そして、見たまえ。」
いつのまにか、お皿は大人や子どもで溢れかえっていた。
「わあ。」
「ここの公園はね、いつも夕方の5時あたりになると最も人が増えるのだよ。大人も子どもも、一緒くたになって遊んでいる。とっても平和で、素晴らしい景色だろう。」
「うん。」
5時。それは金閣寺の拝観終了時刻だった。コマレは大粒の涙でお皿がよく見えなかった。
〜つづく〜
★京都のお皿公園を制覇MAP!★
(ぴーちゃんのお手製なので、お皿公園の種類を独自に分類して名前をつけている部分もあるぞ!あしからず!)
次回、コマレが京都観光に再挑戦するぞ!お楽しみに!
投稿日:2017.10.23