コラム

『Connect Fest 〜BitSummitに憧れて〜』学生によるもう一つのゲームの祭典

『BitSummit』とは。先日京都で開催された、日本最大級のインディペンデントゲームの祭典です。その真向かいで同時開催された、学生たちによるもう一つのゲームの祭典をご紹介します!

その名もズバリ清々しい、『Connect Fest 〜BitSummitに憧れて〜』

場所は『BitSummit』会場のお向かい、ロームシアターの小さな会議室。

学生が作ったゲームとは一体?片っ端からプレイしてみると、どれも個性が爆発していました!参加した4団体のゲームをノンストップでご紹介!

CGP「クリエゲーム制作Project」

「サケの帰還〜とにかく私は帰りたい〜」

 

サケとなって、釣りの仕掛けやクマから逃れながら帰るべき場所へ帰る、スマホゲーム。公式webサイトからダウンロード可能なので、ぜひあなたも帰ってみましょう。

団体webサイト:http://creagamep.wixsite.com/creagamep

※ちなみに、まだ開発途中でしたが、こちらの作品も個人的にオススメです↓

パズルゲームの連鎖にライフが付いているというもの。たったそれだけでやり込み度がぐんと上がって、パズルゲーム好きの心を揺さぶられました。ほっといたらずっとやってしまいそうな中毒性がっ。

立命館大学 映像学部 09ゼミ

「THE SIN」

人間が本能的に「怖いから嫌だ」と思う2つの行動をしないと絶対にクリアできないホラーゲーム。作り込まれたCGや演出により、思わず声を上げてしまうほど怖い、超本格的な恐怖体験でした。

作者webサイト: ncias.myportfolio.com

OGC 立命館大学 映像学部 ゲーム制作自主ゼミ

「たんくぶれいかー」

ビスケットの上を戦車でドンパチやる対戦ゲーム。グロくない戦車ゲームを作りたいという発想から生まれたファンシーな作品です。

「コムギ畑にかえりたい」

練られたパン生地が主人公。プレスされることで形を変え、工場を脱出するアクションゲームです。変身するために潰される瞬間は、分かっていてもドキッとします。

団体Twitter:https://twitter.com/ogc_rits

RiG++ 立命館大学情報理工学部 ゲーム制作団体

WiiのバランスボードでプレイするVR作品。足踏みすると、ゲーム空間を歩き回ることができます。視覚のみに注目されがちなVRでは珍しく、足も使って操作することで、没入感がアップしていました。

団体webサイト:http://rigpp.sakura.ne.jp

PAC「Play And Create」

「夢幻のスピカ」

妖精たちと人間が共存する世界を冒険する、サウンドノベルゲーム。ストーリーが進むと横スクロールのアクションで攻略が始まります。

団体Twitter:https://twitter.com/playacreate

 

ほんとにバラエティに富んだ作品の数々。ここでは紹介しきれないほどに、他にもたくさん出展されていました。

一体このお祭りはどうやって実現したのか?

その仕掛け人は、「<関西学生ゲーム>って調べたら、一番上に出てくるサイトが、僕たちのサイトです!」と力強く答えてくれた、本イベントの主催団体『connect』代表、立命館大学映像学部3回生の末浪さんでした。


『関西学生ゲームコンソーシアム connect』の皆さん。写真左が末浪さん。

団体webサイト:http://connectkansai.wixsite.com/connect

勝手に会場おさえちゃいました。

 ーどんな流れで決まった企画なんでしょうか?

1ヶ月くらい前にいきなり立ち上げた企画なので、猛スピードで準備しました。
「できる!」ってことを『BitSummit』さんの方に伝えないといけなかったので、企画書と会場図をバババーって作って提出しました。

で、もうちょっとで仮OKがもらえそうだなって時に、もう勝手に会場押さえちゃったんです。そしたら「え、会場押さえちゃったの?じゃあもうやっていいよ。」って(笑)
学生の熱量の高さを認めてくださる懐の深さ!そのおかげで、同日開催を決定することができました。そこから、どうやったらさらに『BitSummit』にコミットしていけるか、を詰めていったという経緯です。

 ー末浪くんは両方の会場と往復されてるようですが、やはり様子が気になるのでしょうか?

あ、僕向こうのボランティアリーダーもしてるので・・・(笑)

 ー!!!


「勝手にとっちゃった」会場の会議室。


 

とにかく”目の前”で遊んでもらいたい!

 ー「開催したい!」というのは、末浪くんの想いなんですか?

まさに念願でした。
「『Bitsummit アカデミック』を作りたい!」が、『Connect』を立ち上げた時、一番初めに掲げた目標だったんです。ずっと言い続けてました。

僕自身、一回生の時に『BitSummit』で出展させてもらって、自分のゲームがお客さんにすげえ喜んでもらえたんです。その経験があったから、今こんだけ熱量持ってゲームを作ってるんです。

やっぱゲームの製作者が一番楽しい瞬間って、目の前で遊んでもらえてる時やと思うんです。実際にそれが僕のモチベーションに繋がっているので。

だから、他の学生にもそういう機会をもっといっぱい用意したい。それをずっと『BitSummit』の運営の方に言い続けていました。

「学生やから」もらえない名刺

 ー今回その念願が実現できてどうですか?

嬉しいです!予想を超えた収穫もありました。

っていうのも、『BitSummit』のように大きな展示会では、学生ってなかなか名刺交換してもらえないんです。「学生のゲーム」と、わざわざ交流しようとはしてくれない。

でもこの場では、学生がやってるってことを割り切っちゃってるんで、来る人はみんな学生なんだってわかってきてくれます。だから皆さん積極的に名刺やアドバイスをくださって。すごくいい空間になって、これはこれでいい結果が生まれたなって思いました。

1年がんばって、よかったなぁ、って。

 ーでは、今回「1番嬉しかった出来事」ってなんですか?

「末浪くん、来たよ。」って、たくさんの人が来てくれたことです。体感で20〜30人くらい。今まで繋がって来た、企業や学生の方が来てくれたんです。

「あ、今までの1年間で繋がってきたものが、ここに帰ってきたんだな」ってすごい思って。
よかったなぁ、って。

もちろん僕だけじゃなく、みんなの作品をちゃんとプレイして、フィードバックもしてくださって。
あとやっぱり一番でかいなって思ったのは、『Connect』のTwitterで告知した時に、みなさんが50リツイートくらいしてくださったんです。ビューが1万、2万まで伸びちゃって本当に驚きました。
今までもインディーズの方とも交流させていただいてたこともあって、その有名な方々がリツイートしてくださったことでバーッと広まって。

 ーじゃあ、初対面の人も?

めちゃくちゃいましたいっぱい!
名刺交換もめちゃくちゃさせてもらいました。おかげで理想的な会になりました。

目指せ『BitSummit アカデミック』

 ー『BitSummit』との連携が一番の理想でしょうか?

最高なのは、『BitSummit』さんの中に学生ブースができることです!

『BitSummit』さんも「学生を育てて次の世代にインディーのアツい熱を託していきたい」って考えてくれてはると思うんです。それに京都府さんも、「学生を育てたい」ってやっぱり思ってくれてはる。ぜひそのお手伝いがしたい、っていう想いもありますね。

 ー今回の『BitSummit』の方には学生作品は出展されてるのでしょうか?

ありますあります。僕が知ってるのは3チームですが、選考のハードルがかなり高かったようで、史上最高に膨れ上がった応募数を通過して出展しています。

『BitSummit』さんは、インディーとプロと学生が同じ目線で審査されているから、イベントのクオリティーが高いまま落ちないんです。

だからこそその中に、あえて区切られたブースとして学生ブースを作れば、学生が育つ環境になると思うんです。そう言った形で『BitSummit』さんと一緒にイベントができたらなあ、と思っています。

 ー今回の総来場者数は何人だったのでしょう?

127人です。もうほんま、昨日寝るときとか、「身内の方だけで20人くらいやったらどうしよう・・・。」とか考えてたんです。それはそれで嬉しいんですけど、やっぱりもっといろんな人と交流してほしいしなーって。だから結果としてすごいよかったです!

 ー第1回『BitSummit』も170名からのスタートだったのだとか。告知が1週間前だったにも関わらず、幸先の良いスタートですね!

「後輩が、僕と同じこと言ってくれた!」

 ー出展者のみんなから言われて嬉しかったことはなんですか?

まあ、今から打ち上げで飲みに行ってから聞けるんやと思います(笑)実は前回の『BitSummit』出展の時もそうやったんですけど、忙しくて感想をいただく時間がなくて。終わってからも片付けてバーッと帰っちゃう、ってなっちゃって。

それから後日ご飯会を開いて改めて後輩に話を聞いてみたんです。そしたら「目の前で遊んでもらえて、すごいよかったです!」って、僕と同じこと言ってくれたんですよ!
それがすっごく嬉しくて。やっぱ伝わんねんなーって。

この会のみんなとも同じ体験ができてたら、すごい嬉しいなーって思います。


今回出展した、笑顔が眩しいみなさん。

 

友情・努力・勝利。好きなことに全力な彼らは、少年マンガの主人公のように爽快です。

そして『connect』は、進撃に間髪を入れません。「ゲーム作成経験0でも、その日のうちにゲームが1本作れちゃう」ハッカソンイベント、『第2回 Connect Hack Online」が開催されます。

「遊ぶ」だけでなく「作る」ことまでエンタメに。勢いが止まらない京都の学生ゲームシーンから目が離せません!

投稿日:2017.05.24

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