シェプロのはちみつコラム第6回は、秋に採れる珍しいはちみつのお話です♪
出典:http://tamron.myphotoexhibits.com/exhibits/9285-travels-with-lizzy
今月のはちみつコラムは、季節にふさわしく、秋に採れる珍しいはちみつをご紹介します。
あまり知られていませんが、ミツバチは寒い冬に(冬眠とまではいきませんが)活動を休止する生物です。
巣の中でじ~っと、今までに作り貯めたはちみつや花粉団子を食べながら春を待ちます。
ですから、秋の終わりから~春先にかけての寒い時期には、ほとんどはちみつは採れません。
しかし中には、秋に採れる希少なはちみつも存在します。
<甘露蜜>
古代中国やインドで、神様の薬(※不老長寿の薬)とされた「甘露」の呼び名がついた珍しいはちみつです。
こちらのはちみつ。なんと、花の蜜ではなく樹液から作られています(※樹液からもはちみつが作られるんです!)
正式な名前ではなく、樹液から採れたはちみつを総称して「甘露蜜」と呼んでいます。
上質な蜜を作るのが難しいはちみつと言われています。
「樹液からはちみつって、どうやって作られているの?驚きの自然のサイクル」
出典:http://motorbike-tourer.de/touren/2014-2/schwarzwald-vogesen/
樹液から採れるものの代表は「メープルシロップ」「甘露蜜」ですが(筆者はどちらも大好きです)、樹液は私たち人間だけではなく自然の虫たちにとっても恵み深い食べ物です。
樹液を吸う虫たちは、体の周りにも自然と樹液が付きます。ミツバチは、その虫たちが必要としない余分な樹液だけを上手に採集して、巣に持ち帰るのです!(ミツバチはとても器用なんですよ♪)
ミツバチたちは命を奪わず、自然界に存在するものを上手に使って、甘露蜜を作っています。
自然の本来持っているサイクルを感じられるはちみつです。
作り方からも分かる通り上質な甘露蜜は希少価値が高く、健康を重視するはちみつ先進国ドイツでも人気の高いはちみつの1つです。
樹液の恵みである豊富なミネラルや栄養分を含んだ甘露蜜は、琥珀色をしたはちみつです。
「甘露」の名前に恥じない、森林を思わせる馥郁とした香りと深い味わいが楽しめます。
お酒を嗜む際、盛り付けのチーズなどに合わせると、口の中でコクと甘みがぱぁっと広がり、デザート感覚で楽しめます♪
次にもう1つ、日本ではとても珍しい秋のはちみつをご紹介します。
<アキノキリンソウはちみつ>
日本ではとっても珍しい「アキノキリンソウはちみつ」。
実はハーブとして、ヨーロッパで昔から知られているお花です。
体の中の余計な水分を押し出してくれる働きがあると言われています。人々に重宝されてきました。
「ヨーロッパではハーブ。日本では嫌われもの?アキノキリンソウのこと」
出典:http://www.imagejuicy.com/images/plants/s/solidago/2/
アキノキリンソウは、キク科の植物で多年草です。セイタカアワダチソウもアキノキリンソウの一種で、秋の河辺や山を黄色く彩ります。
もともと欧米が原産のアキノキリンソウ。日本では外来種として、アレルギーの元として、長く嫌われてきました。
ヨーロッパではハーブとして重宝されてきたものが、日本では嫌われものって、何だか不思議ですよね?
実は、秋のアレルギーの原因は(ご存知の方も多いと思いますが)、「ブタクサ」という植物です。
ブタクサもキク科の植物で、アキノキリンソウに姿形が似ているので、よく間違われてしまうのです。
おいしいはちみつが採れるアキノキリンソウ、嫌わないであげてくださいね♪
さて、アキノキリンソウのハーブとしての側面にも少し触れたいと思います。
アキノキリンソウは、ハーブとして根も含む全てを使用することができます。
炎症を抑える作用の他、止血のハーブとしても使われ、アキノキリンソウの粉末を怪我部分に付けると、殺菌と止血両方の効果を発揮すると言われています。
そして、腎臓と関わりが深いとされ、アメリカでは腎石の治療に用いられている実績も!
元々、体の余計な水分を体外に押し出してくれるハーブとして知られていますので、腎臓と関わりが深いとは納得ですね♪
アキノキリンソウはちみつは、レモンのようなさわやかな酸味を感じる味わいです。
クリームチーズと合わせると、女性が大好き!サワークリームのような味わいになります。
それをバゲットに塗ると、忙しい朝、さっと作れて栄養もばっちり!おいしい朝食のできあがりです♪
また、お料理にお砂糖代わりに使うと、風味とコクを与え、味わいに深みが増します。
「毎日ひとさじ、ローハニー生活」
珍しい秋のはちみつはいかがでしたでしょうか?
秋のはちみつは、栄養素がたっぷり含まれたものが多く、まさに食欲の秋の「自然の恵み」と言えます。
高価な錠剤や質のよくない食料を大量に摂るよりも、自然本来の食べ物~はちみつで言いますと「ローハニー(生はちみつ)」~を毎日スプーンひとさじずつ取ることが、私たちの細胞を元気にし、体調を整え予防をしてくれる、何よりの近道になります。
毎日ひとさじずつ、ローハニーライフはいかがでしょうか?
[ナビゲーター] シェプロ 丹山 富江 プロフィール
仕事:
河原町二条「シェプロ」にて、日々体と心が喜ぶfoodについて勉強しています
趣味:
カフェ巡り。読書。
好きな作家:
アガサ・クリスティ/アーシュラ・K・ル=グウィン
投稿日:2015.11.05